製品紹介

ニッケルプレートロード鉄道バークシャー

完売御礼申し上げます

MODELS  :NKP S3 Berkshire(USA)
使用燃料 :アルコール
縮尺   :1/32
単体重量 :11.5kg
※表示価格は全て税込価格です
※完成品は受注生産品になります
KIT価格  :750,000円
完成品価格:895,000円
動輪 :未絶縁

NKP Berkshire # 779 History
1925年2月、Lima社によって設計製造された2−8−4という最新の車輪配列の蒸気機関車が、マサチューセッツ州バークシャーヒルズのボストン&アルバニー社で行われた試運転を成功のうちに終了させた。この機関車は当時多く走っていた車輪配列2−8−2の貨物機関車ミカドを遙かに凌ぐ馬力を見せつけ、この試運転の結果を受けたボストン&アルバニー社に、2−8−4の車輪配列がされたこの全く新しい機関車に対して55台分もの注文をおこさせたのである。ボストン&アルバニー社はこの機関車をバークシャーと名付け、これが蒸気機関車の設計における新しい章の幕開けとなる。
ニッケルプレートレイルロード社の貨物列車は大恐慌以降も着実に改良が進められていたが、1938年同社は時刻表制運行に必要とされていた、60台から80台の客貨車の牽引可能な機関車の 発掘に力を入れざるを得なくなる。この点に関して、馬力があり仕事量が多いバークシャーの採用は理にかなった解決策と言えた。しかし、ニッケルプレート社のバークシャーを競り落としたのはアメリカンロコモーティブ(Alco)社であった。この事態を受け1941年初頭にニッケルプレート社は自社のためのバークシャー増産と購入に関する取り決めを行い、15台と直後の10台の追加生産をライマ社が担当する事になった。 これら初代のニッケルプレート社のバークシャーはS-1にクラス分けされ、尊敬の意を込めて715から729、730から739の車番を付けられている。五大鉄道会社(ニッケルプレートロード社、ペンシルバニア社、エリー社、ボルティモア&オハイオ社、デトロイドトレイド&アイロントン社)の交差点に位置していたライマ社は、特許である"Shy" や "Superpower(スーパーパワー)"と呼ばれる着想で設計された機関車で有名であり、地元に4300人もの社員を抱える地域随一の雇用主でもあった。1944年末までに同社はニッケルプレート社にS-2クラスに分類されNKP740から769番の車版を持つバークシャーを追加納入している。しかしライマ社による蒸気機関車の新たな発展への献身の一方では、フェアバンクーモールス社とゼネラルモーターズ社が提案していた機関車の新しい設計構想の熱が確実に実を結びつつあった。ライマ社にとってライバル企業だった機関車製造業社、アメリカンロコモーティブ社とボールドウィン社はライマ 社が眼を向けるはるか前に、既にこのディーゼル機関車の開発に力を傾けていたのである。1947年3月、ライマ社は結局オハイオ州のゼネラルマシナリーコーポレーションオブハミルトン社に合併吸収され、ハミルトンコーポレーションという新会社の一端を担うことになる。この合併は当時の蒸気機関車の注文数にも関わらず、ライマ社を次世代のディーゼル機関車の設計へと目を向けさせる事となる。
1947年の6月、EMD F3のディーゼルの開発結果のテストののち、ニッケルプレートロード社の経営陣はもう10台のライマハミルトン社製S3クラスのバークシャー"Super Power Berkshires"(スーパーパワーバークシャー)の追加注文を決定した。1209番目の注文の下、ライマ社で製造されたこのS3クラスのバークシャーはNKP770から779までの車番を付けられており、この注文の際最初に製造された機関車は1949年3月に完成し、残り9台に関しては続く2ヵ月の間に完成している。S3のシリーズの機関車は重量444,300Lbs.で、64,100lbs.という魅力的な積載可能量を増幅器の助けなしで実現した。266,000lbs.を超えるエンジン重量は、ベアリング装備された車軸直径69インチの車輪8つで走行しおり、ボイラーの圧力は245lbs.にも及び、炭水車に至っては22,000ガロンの水と22トンもの石炭を積載可能で、3車軸×2の車軸配列をもつ"バッケイ"車によって支えられていた。この機関車は高さ15フィート8インチ、10フィート8インチの横幅を持ち、炭水車の長さを含めると101フィートもの全長を誇っている。
1949年5月12日付けライマ新聞に、ゼネラルモーターズの"未来のディーゼル機関車"がB&O Depotで初公開される旨の広告が掲載された。翌1949年13日金曜日、同じ町の新しい見せ物に動揺することなく、ライマハミルトン社の従業員達は車番779のバークシャーの完成に向けて最終製造段階に入っており、ニッケルプレート社員も黙々と最終点検を済ませていた。この機関車がライマ社の生産による最後の機関車になるとは、この時は誰も予想し得ない事であった。しかし同社の役員達はディーゼル機関車が確実に大きなセンセーションとともに迎え入れられている事態を目撃していた。
同日午後までに機関車車庫の監督は車番779のNKPバークシャーの完成許可を出した。そして、その直後、未来のディーゼル機関車がオハイオ州ライマを出発し、初めての商業運転を開始した。
1949年8月NKP 779は一時的に業務を停止し、シカゴ鉄道品評会に展示され、そこでこの機関車はスーパーパワー型機関車 としての揺るぎない地位を人々に知らしめている。
8年弱で667,000マイルに及ぶ運転業務ののち779機は1958年7月にその勤めを終えスクラップされる運命にあった。しかしライマ社製最後の蒸気機関車という歴史的意義を認めた市議会は、同市と鉄道産業界との歴史的関係の功績を称える展示会の出展のためにこの機関車を提供するよう、持ち主であるニッケルプレート社に依頼した。長きに渡る交渉とその間5年の屋外保存の末、この機関車はシカゴのカルメ鉄道車庫に保存されることになる。その後1963年8月までにエンジンにはライマ市にある陸軍 祭式センターに保存され、そこで3年以上を過ごした。1966年7月にライマにあるアレンカントリー歴史協会のジョン=ケイムス氏や、A=マクドネル氏、ジョン=ケラー氏といった役員達がこの機関車の寄付のみによる保存と展示の実現に際して土台となった重要な貢献をしている。
今日までニッケルプレート社のバークシャー779号はオハイオ州ライカにあるリンカーンパークで保存され一般公開されている。ニッケルプレート社のバークシャーでS2シリーズの姉妹である759機や765機は現存する最後のバークシャーであり、今日もなお、個人的な旅行サービスなどで運転されている。
アスターホビー株式会社は今回、ライマ社最後の製造機関社でありニッケルプレート鉄道会社で最後に運転されたこの蒸気機関車を再現いたしました。この1/32スケール、一番ゲージのライブスチームモデルはライマ鉄道会社製の数あるすばらしい蒸気機関車の証となっています。
今回のモデルの実現に際してフォートワイン歴史鉄道会社のワイン=ヨーク氏と同社のグレン=ブランデル氏、オハイオ州ライマのアレンカントリー歴史協会のボブ=トーベ氏、ボウリンググリーンステイト大学図書館、そしてアスターホビーUSAのハンス=ヒューワイラー氏の尽力に感謝を申し上げます

縮尺 1/32(45mm)1番ゲージ  
総重量 11.5kg (エンジン7.5kg + 炭水車4.0kg) 
全長 1100mm 
全幅 110mm 
全高 153mm 
車輪配列 2+8+4 (1D2) バークシャー (全動輪フルイコライジング仕様) 
動輪径 53mm  
先従輪径 27mm 
炭水車車輪径 27mm(フル・ワーキング バッケイ台車) 
自動給水ポンプ ボアー¢5mm X ストローク6mm 第2動輪に装備 
シリンダー 2気筒(シリンダーボアー¢15mm X ストローク 24mm) 
弁装置 ベーカー式 
ボイラータイプ 異型Cタイプボイラー(銅製)・アルコール焚  
缶水容量 450cc(80%Full) 
ボイラー装備 安全弁X2、水面計X1、圧力計X1、汽笛X1、加減弁X1、通風弁X1、バイパスバルブX1、排水口X1、ブローダウンバルブX1、ドレンバルブ、スーパーヒーター 
給油装置 ロスコー式  
炭水車 700cc(80%Full)ハンドポンプ標準装備 
燃料容量 500cc(80%Full) カートリッジ式(燃料用アルコールを使用のこと) 
回転最小半径 R2m対応 

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